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Caro Paolo, ti scrivo...
先日のSportweekの、マルディーニに関する記事
画像(といっても珍しい写真ではないけど)と一緒にUpしようと思っていたんですが、ミラノはこのところずーっとどんよりしてて日中から暗い。(ミランみたい・・・(-_-;))デジカメ使えず。
先に記事をご紹介。
ピックアップだけにしようと思ったけど、書き出したらそのまま全文訳してました。

よろしかったらどうぞ。

記者はAlessandra Bocci




Caro Paolo ti scrivo...「パオロへの手紙」

数年前、ミラネッロである噂が立った。新入選手の一人が、髭を剃った後アフターシェイブの泡を撒き散らして歩いていた。それはすぐに重鎮たちの目に留まり、その数日後彼はまたしてもつまみあげられる:荷物を整頓せずにそこここに放り、スタッフがまとめにやってくるのを待っているという男だった。Senatori=その頃そう呼ばれていた=にはこの青年が気に入らなかった。
パオロ・マルディーニとアレッサンドロ・コスタクルタはCalcio ItalianoのSenatori(直訳は元老院)。Senatoriは細かい点も逃さない、仕事やチーム内での態度へマニアックなまでに注意を払い、必要とあれば故障や痛みをも超える、喧嘩好きな敵たちとは違うその落ち着き。
ミランでは、この2人のような選手はもう二度と現れないと確信し、パオロの引退のニュースを、大勢が信じないようにしている。

「最後の言葉はまだだと思っている。」
そう言うのはMauro Tassotti。
「パオロがやめてしまうと、これはミランの損失、イタリアのカルチョにとってもだ。何がスペシャルかって?すべてだ。もしスペシャルでなければ、彼のようなキャリアは成し得ない。」

「マルディーニはスペシャルだ。何故なら彼は毎日他の誰よりもトレーニングを積む。何故なら歯を食いしばるということを知っている。何故なら、あれだけの勝利を経験していながら、それに驕るということが無い。」
そういい加えるのはArrigo Sacchi。
「彼は素晴らしいファミリーが傍らにいた。インテリジェンスのある妻、エクセレントなチームメイトたち。これらのことが、彼が20年以上も今のような男であるためのフォローになってきた:言葉だけのリーダーではなく実行で示す。ポジティヴな青年。」

イスタンブールでも、彼はポジティヴでいられた。あの時、敵であったリヴァプールのTraore'からハーフタイムにお祭り状態だったと言われたあのロッカールーム:「読んで悲しかった文だった。何故ならそんなことは起きていなかったんだから。」Tassottiは言う。
「あの時でさえ、パオロは偉大なスポーツマンとしての態度を見せた。彼は勝ち方を知っている男。しかし負けることも知っている。これは容易なことではない、それどころかあれは信じられないことだった、チャンピョンズ・リーグをあのような形で負けるなんて。にもかかわらず彼は、敵が受賞している間チームと共にピッチに残った。結果を受け入れ、他の者たちを励まそうとしていた。パオロは落ち着きを失うということがほとんど無い。もちろん、私だって幾度か彼が激怒しているのを見たことがある。しかしそれもすぐに去ってしまうのだ。彼の決定的な特徴はバランス。あまり語らず、態度でわからせることができる力。Franco Baresiのようなタイプだ。」

Baresi、マエストロ、継承するも困難な遺産を残した男。パオロがキャプテンマークを引き継ぐのはほぼ不可能であろうと言う者たちもいた。
「しかし彼は長い間その立場にいた。(Baresiと)同じ形で。ミランはこのような者たちが伝統なのだ:静かなるリーダー。パオロはフランコより外交的だ。」
Tassottiは続ける。
「噂を嫌う。煩わしいことを好まないのだ。必要を感じなければクラブと議論することも望まないと思う。彼自身の日々の働きそのものがリーダーなのだ。考え直してくれることを願っている:このままいって、年に20も質の高い試合をしてくれれば、我々には充分だ。」

「カルチョはメンタルからスタートする、足ではない。そしてマルディーニは実にその通りの頭を持っている。」
そう語るのはSacchi。しかし時は足早に去っていく。頭はそれを止めた、足はノー。20年以上ものカルチョは重くのしかかっている。
「時々、朝ベッドから起きると、歩くことが出来ないんだ。」
マルディーニはすでに1年半も前にそう告白している。あの時も彼は、引退を考えた。そして走り続けた。

「何故って、彼はスペシャルだから。」
シェフチェンコが言う。
「自然の持つ力。才能、パーソナリティ。彼の傍でプレイした者は皆、彼のエネルギーがミランにとっていかに重要かを知っている。」

マルディーニに欠点はあるか?彼のチームメイトの誰も、それを見つけ出すことはできない。
「僕は多くの勝利を得てきた男だ。でも多くの敗北も見てきた。だから学んだんだ。」ある日彼自身がそう語ったことがある。

自らに対して皮肉になれる、つまり、背が高く美しく、ブラボーで強く包容力がある以外に。
それでも過去には、彼とコスタクルタの権力に対してロッカールームで反抗を示した者も存在した。

こういう囁きも聞かれる。あくまで囁きだが、新しい選手の運命を彼ら(Senatori)が決定しているというもの。
「くだらない。」
Tassottiは言う。
「私たちの選手の誰も、キャリアをそんなことで煩わせたことは無い。意見をすることはあったかもしれない。君に考えを求めたら答えてくれる、ただそれだけのことだ。」

マルディーニはミランの伝統を監視する役人。すべての者は彼の中に:楽しみつつ仕事へ献身することを見る。何故なら、常に繰り返しているように、「これは僕の仕事。でもスポーツだと考え続けている。だからひとつの楽しみだ。」
おそらくそれが、彼の頭が時を止めてきた理由なのだろう。それだから、パオロがまだ続けてくれることを望んでいる者がいるのだろう。
「ちょっとしたことが必要なんだ。たとえば合宿を排除する。あれは長年やってくるとさすがに重い。」

カカ’は言う。
「初めてマルディーニに会ったとき、僕はまだSan Paoloでプレイしていた。Real Madridの100年祭で彼と一緒にプレイしたことは、僕には感動だった。彼がバランスを失ったのを見たことが無い。動転したリアクションを見たことが一度も無い。物事がうまくいかなくなると、彼はいつもそれを綺麗に立て直す、皆を励ます。言葉でじゃない、その態度で見せるんだ。それが彼の(他との)違いだ。多くの者が、彼はその目だけでわかると言う。彼がピッチに入ると、一つの力が入ったことを感じる。今までにどのくらいの数のゴールを見てきただろうって?それなのに彼は、ゴールを誰かが決めるたびにいつもその傍らで祝っている。パオロはリーダーだ、彼になら頼れるから。パオロは伝説なんだ。」

伝説、その理由はまた、すでに偉大な存在であるにもかかわらず、いまだ走り続け、トレーニングを続けているからでもあろう。

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12月4日月曜日の時点で、SweetYearsパーティにて記者にコメントしたところでは、マルディーニは「まだわからない。前の質問は契約更新についてのものだったから、たぶんYesというよりNoだろうと言ったのだし、そういう状態なんだ。言うなれば今は(引退かどうかは)50%というところ。」と。

真面目な記事ではありますが、私は個人的に「アフターシェイブで怒られたのが、13番の彼でありませんように」と祈っています(笑)。
それと、文中の「ミランの伝統を監視する役人」と、私の拙い訳で表現した言葉は、Custode=場合によっては門番とか牢番という意味もあり、一人で苦笑い。
ていうか、それだけミランには、良くも悪くも謎の香りがするっていう・・・
by celeste13zefiro | 2006-12-06 15:01 | MILAN
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