Rinoの長い一日
おそらく短いニュースでしか伝えられていないだろうけれど、5月19日のガットゥーゾの一件を、新聞記事などから拾ってここに。
「契約延長」とか、「階級主義の問題」とかっていう、間違ったのやちょっとズレた説明になってる日本語ニュースが多いようなので。

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ミラノ。ジェンナーロ・ガットゥーゾはミランに残り、このクラブでキャリアを閉じる。リンギオのカルチョにおける最も長い一日は、Happy endingで終わった。トロフィーの並ぶサロンでの記者会見が行われた、傍らにはアドリアーノ・ガッリアーニ、アリエド・ブライダ、カルロ・アンチェロッティ、代理人アンドレア・ダミーコ、そして父フランコ。10時間の待機を含め朝(11:00~12:15)と夕方(17:25~19:20)2度の会談、そして5月19日の19:30に、ガットゥーゾとミランとの間に愛が再び戻ってきたというニュースが届く。長い年月の間に擦り切れ刺激を失ってしまい、終章を迎えたと見られていた、ところが、まだあと3年間は続くのだ。Centrocampistaがすでに契約してある2011年まで全うするということで。

一日
Tifosiにとって、激しい焦燥感を胸に過ごさなければならなかった一日。Via Turati(クラブ本部)とVia Porta(クラブの車両専用出入り口)の歩道には、時間と共に心配で待つ彼らが溢れていく。その第二出入り口から、ガットゥーゾは朝、クラブへ入る。(そして1時間後に彼は、車内には父親と代理人、もう一台に友人のSalvatoreを伴い静かに去る)。午後には再びクラブを訪れる、そこへ、Curva Sudのリーダーもやってくる。頭ではすでに決めている=他の皆と同じく=ガットゥーゾはきっと、その誇り高きキャリア9年間を共にし、多くを勝利してきたクラブに別れの挨拶をしているのだろうと。その確信は日曜の夜San Siroの駐車場でウディネーゼ戦の後にリーノと会って話したことからきている。(「昨日の夜、皆に挨拶してたんだ」)

説明
「俺はガッリアーニとアンチェロッティと話をした。話すことなんて、ほとんど無かった。実際、話し合いは5分か10分しかかからなかったんだ。」ガットゥーゾは語りだす。
「ミランにあと3年残る、俺の契約を全うする。残念なシーズンを見せてしまい、こんな状態でまだ一年やり続けるというのが俺には苦しかった。俺は、足がバリバリ利いていればピッチで最高を出す選手だ。しかし、もし頭がそれに付いていかなければ、足は動かない。俺の苦しい状況を伝え、彼らは話を聞いてくれた。はっきりとしておかなければならない問題もあった、その件について話すべき相手と向かい合って。確かに会長はシルヴィオ・ベルルスコーニだ、だが俺は今まで常に、話し合いはガッリアーニとしてきた、彼へのリスペクトもあり、(会長へ直接でなく)ガッリアーニと話すのが当然だと考えている。」
ガットゥーゾはまた、彼の不満は契約金には全く関係無いということを明確にしている。しかし、ピッチ上のポジションとカカ’のカピターノの可能性についての疑問に関しては肯定する。「俺がサイドに?たとえそれを俺が好きじゃなくても、このやり方でチャンピョンズを獲得した・・・ともかく、俺の子供達に誓って、問題は金じゃない。」 そしてリンギオは続ける。「その(金の)疑惑についてはあらゆる疑問を取り払いたい。キャプテンマーク? それはアンブロジーニが継ぐのが当然だ、その次には俺が来るんだろう。ヒエラルキーってもんがあって、それは守られるべきなんだ、でなければ、不満などが沸いてくるのは無論だろう。ともかく、あと1年はその問題は無いんだ、マルディーニがまだ続けるんだから。」

心の選択
満足、幸福。ガットゥーゾを再び“獲得”したガッリアーニは当然のこと。このCentrocampistaを来シーズンも引き止めることに成功したのだから。3人のAzzurri(ガットゥーゾ、アンブロジーニ、ピルロ)にはフラミニが加わることもある:「ガットゥーゾの危機は、それがもし危機だとしたら、あまりある愛から生まれたものだ。」 ガッリアーニは強調する。「日曜の夜ベルルスコーニ会長と話をした。彼はガットゥーゾが落ち着き幸せに(ミランに)残るよう説得することを望んでいた。リーノはおそらくこの我々の大きな愛情に囲まれたことを感じたのだろう、私は彼の気持ちに訴えた。はっきり言おう:ガットゥーゾはロッカールーム(チーム)の本質的な存在で、インテルと21ポイントもの差があったミランを新しく発進するには、彼なしというのは考えられないのだ。」
チャンピョンズリーグ出場権を手に入れられないと知ったばかりでおそらく苦い思いを抱えていたであろう日曜日の言葉とは違い、かなり穏やかな発言(訳者注:試合直後にTVのマイクに向かってガッリアーニは『Signor Gattusoとは全く話をしていない。何が言いたいのかを聞いて、それから検討する』と、親しい彼をSignore付けで呼んだことで、マスコミは一斉に『絶対に離別だ』と考えてしまったのであった)。
「この何年もの間、俺を大切に思ってくれた人たちを幻滅させてしまうのではと考えるだけで、俺は苦しかった。」 ガットゥーゾは続ける。「シェフチェンコのように間違いを犯し、裏切り者と見なされることを望まなかった。俺のマンマはこの話を3週間前から繰り返してたんだ・・・」

義務としての選択
ということで、ルカ・トーニの夢は消えてしまう。「グランデなカンピオーネはいつだって大歓迎だ。あいつのほうがミランに来たいならな。」と、MFは微笑む。
ガットゥーゾは永久にミランに残る。「30歳で出ていかないんだから、ましてや33歳でなんて。」

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Corriere dello Sportから抜粋:

ガットゥーゾ:
「迷いがあったんだ。何故なら、終わったばかりの今シーズンのように、個人的な問題だが、酷いシーズンで、自分がチームに貢献できるレベルではないんではないかという恐れがあった。」

「サイドのポジションで最高の力を出せるとは思えない、俺のポジションじゃない。21~22歳なら、ある程度の犠牲は耐えられる。でも30歳になってしまうとキツい、常に最高が出せるわけじゃなくなる。それでも、俺がサイドで中盤に4人で2度のチャンピョンズリーグを優勝したけどな。」(訳者注:この日急遽呼び出されたアンチェロッティが、ガットゥーゾ説得には大きく力を発揮したらしい。『リーノ、考えてみろ、フラミニが加わって、お前はもっと息継ぎができるってことなんだぞ』と)

「ガッリアーニは部屋のドアに鍵をかけてしまい、(別れを告げて)出ていくには4階(日本でいう5階)の窓から飛び降りなきゃならなかったんだ(と笑う)」



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ローカルTVで一日この取材に詰めていたRuiu記者によると、朝の会談の後無言でクラブを去る彼の表情は非常に暗かったそう。
そして夜になってこの記者会見。終了後、ガットゥーゾは、心配してずっと入り口で待っていたTifosi、Curvaのリーダーのところへ行き、状況を説明、彼らに謝っていたということ。


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とりあえず一件落着したとはいえ、この出来事やガットゥーゾの発言などから、ミランの中にある(であろう)問題がいろいろ考えられる。シェフチェンコの行動が呼び起こしてしまった様々な傷跡、それが復帰するかもしれないとなった、ガットゥーゾを含むチーム内の心理状況、キャプテンマークを含め崩れつつあるヒエラルキー、ミランの伝統的な規律への不安、「勝てるチーム作り」が出来なくなっていることへの焦りと不満、自分自身の衰え・・・それに、記者会見では言ってない問題だってあるはず。

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今日、悲しいけど笑った話:

これから少なくとも1年は続くミランへの「Coppa UEFA」という重み。すでにユーヴェやインテル派のコメンテーターたちがことあるごとに「うえふぁ~」とニヤニヤしているんだけど・・・インテリスタのおじさんが言う。「そりゃ、ミランにとってCoppa UEFAなんてなんの価値も無い、あれなんて獲得しても“傘立て”にしか使えないと思ってるだろうけどな・・・」

傘立てかぁ   (〃 ̄∇ ̄)ノ彡


そのローカルTVだけど、一週間いっぱいいっぱいサッカー番組を何時間も放映してくれるけど、唯一木曜日の夜は、週末のハードスケジュールに備えて一休み的な状態。
ところが・・・

「ミランのために、来シーズンは木曜日も働かされるぞー!」

(Coppa UEFAは木曜日が試合)


かつて「インテルといったら笑い話」だった頃、こんなのがあったよね。

=インテリスタのいいところは・・・水曜日に映画館でもディナーでも、好きなように出かけられること=


水曜日に、暇になってしまうミラニスタたち・・・(T▽T;)


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追記:
「静かに受け入れる」て言ってたってのに・・・召集発表に自分が漏れたことで火山の噴火並みに怒っちゃった様子のインザーギ。「何よりも、人間的な部分でがっかりした。監督とはストレートでわかり合える関係を持っているつもりだった。一本の電話さえ・・・自分の見方が間違っていたことが残念だ。」と。
SportMediasetによると、どうやら発表後になってドナドーニはインザーギに電話をしたらしいけれど、外した理由が「チームの戦術に合わないタイプである」というのをインザーギが納得できるはずがないと。
会話が結局よい形で終わらなかった、ドナドーニは非常に気分を害し、ついにはアンチェロッティに電話して仲介的役目を求めたほど。
記事は「インザーギほど、正当な立場を持っている者を相手に説得するのはあまりに困難なこと。あれだけ重いゴールを決めてきた彼を・・・チャンピョンズリーグ、Supercoppa europea、クラブ世界カップ、Gerd Mullerの記録を抜き、それだけではない、ドナドーニ軍のサイクルがスタートしたリトアニア戦、Far Oer戦で、貢献したのは他ならぬインザーギなのだから」と。

あっちでもこっちでも、アンチェロッティはクッションとして引っ張りだこ。


ちなみに、今夜行われたローカルの視聴者アンケートでは、80%以上が「インザーギを呼ぶべきだった」と、ドナドーニの選択に反対。
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by celeste13zefiro | 2008-05-21 06:01 | MILAN
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