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一番うまかったのは誰?
5月に、ミランのチャンピョンズ決勝進出が決まった直後くらいにネスタのインタビュー記事"ANTIDIVOな生き方"がSportWeekに載りましたけど、その号にこの記事もありました。

インテルの「新Pazza Inter収録逸話」

おもしろかったんだけど、こっちまで取り上げる余裕が無くてそれっきりになってた。もしかしたら既出な話題かもしれないけれど、ピックアップでご紹介。
インテルのテーマソングPazza Interを初めて録音したとき、ヴェントラやレコバのうまさに驚いたものでしたが・・・今回は、誰が一番だったと思う?
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我らが英雄たちが集う。しかし今回はカルチョには関係無い。Rtl102.5(ミラノのラジオ局)のスタジオに、歌のイヴェントが展開された。イタリアのカンピオーネ(インテル)の面々は、Pazza Interの収録を行わなければならない。Tricolore(3色の意=スクデット)に輝いたこのシーズンを記念したコンピレーションが製作されるのだ。
Nerazzurri(青黒の彼ら)は、以前すでにこの曲を録音している。しかし、カンナヴァーロ、ヴェントラ、アダーニといったその頃歌ったメンバーはもういない。“彼らのせいで”すべてをやり直す必要があるのだ。

スタジオに入ってみる。そこには、遠足へ行く学生たちのようなうきうきした様子や、悪ガキたちのふざけ合いなどの姿が予想されていた・・・が、驚くことにその空気は全く違っている。まるでこれから試合に立ち向かうかのような緊迫感に固まっている。

OK、スタート。 リフレインが流れ始める。
全員で歌う、マンチーニももちろん含めて。

♪Amala, Pazza Inter amala/e' una gioia infinita, che dura una vita/pazza Inter amala♪

一度聴くと頭から離れなくなるそのモチーフ。

ほとんどの選手は、恥ずかしそうにもじもじしてしまっている。フィーゴやトルドなどは、コーラスの部分を自分が歌い終わるとさっさと出口へ逃げていく。ディフェンスのリーダー、マテラッツィがここで仲間たちを支える。彼が、ソロのパートを切り出すのだ。

むちゃくちゃ集中している・・・が、トーンも拍子も、全く合わず。

ミキサー室から励ましの声。
「心配するな。俺たちがあとでちゃんと合わせて修正するから!」
ディスコグラフィー業界の奇跡・・・

Matrixはニヤッと笑うが、しかし雰囲気はまだ暗いまま。
ここで登場するべきはカピタン・サネッティ。まるで我慢強い父親が激励するかのように:
「大丈夫だ、ほら、皆。これでいいんだ!」

げっそりしながらマテラッツィはこぼす。
「おいみんな~、Stankovicしてるかー?」
(訳者注:イタリア語で『疲れてる』を『Stanco』と言い、その言葉をチームメイトのスタンコヴィッチにもじってギャグを飛ばしてみたわけだ)

デヤンがウケて笑う。

マテラッツィがヘッドホンを外すと周りが言う。
「おい、もう歌わないのか?」

「もうって!! 俺はすでに10ページも歌わされたんだぞー!」

ボール(マイク)は次へ渡される。
チームの発信ボタン役、実にピッチでもCentrocampoを仕切るカンビアッソの番。

エステバンの素晴らしいショーが、休憩を挟んでは繰り広げられる。

「誰だ? Ramazzotti(イタリアの大ポップスター)か?」

仲間たちをフォローしながらずっと出番を待っていたサネッティがいよいよ張り切って歌いだす。いかにも見える。“歌いたかった”のが。

♪E' un sogno che ho/e' un colo che sale/a sognare...♪

皆が納得。彼は上手い。
プロデュースを務めるRosita Celentanoが言う。
「そう、サネッティとカンビアッソは上手いわね。でもマイコンも・・・」

マテラッツィに訊いてみよう。彼自身がソリストを望んだのか?
「俺たち皆で決めたんだ。より勇気のあるやつが(ソロを)したってことだ・・・」

チェレンターノが説明を加える。
「私が6歳の頃、周りの皆に『歌え』と言われ続けたの。でも、ものすごい下手っぴぃなのはわかっていた。あのような拷問を彼らにも要求するのは嫌なのよ。」
(訳者注:Rosita Celentanoは、イタリアの大御所エンターテイナーAdriano Celentanoの娘。歌えと言われたという状況は充分理解できる)

これがだいたいチームの最高だ(カンビアッソやサネッティ)と思われた頃、そこへ飛び出してきたのがエルナン・クレスポ。

E' lui il migliore!(彼が一番だ)

出身のおかげかもしれない。この3人が歌い、踊り、最も楽しんでいた。インテルというチームの国際性はここにもしっかりと示されている。
同僚たちが一人一人とスタジオを後にしていっても、彼らは延々と歌い続けていたのだった・・・

が、Nerazzurroの聴衆にはまだサプライズが残されている。

コンピレーションの13番目・・・これはPazza Interのカラオケ。

そう、次に歌うのは、インテルのTifosi、君たちの番。

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by celeste13zefiro | 2007-07-01 15:53 | CALCIO
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